第6回(平成18年度) 全国中学生防火・防災作文コンクール 全国最優秀賞作品 

日本消防協会片山虎之助会長から防災グッズを受領
主催:生活協同組合 全日本消防人共済会
後援:財団法人 日本消防協会
平成18年度応募数 各都道府県選抜63作品
<受賞の感想>
 正直びっくりしている。普段の父の姿と、消防団としてがんばっている父の姿は、全く違う。地域のために貢献している消防団の人々は、まさに「ふるさとを守る愛の戦士」だと思う。ぼくも、これから、ふるさとを愛し、人々のために貢献できる人間になりたいと考えている。
最優秀賞
 
 
「ふるさとと、未来を守る愛の戦士」
                           香川県 土庄町立土庄中学校  二学年 男子

 「今日も帰れんから、家のことはおまえに任せたぞ。後は頼む‥‥!」
 ときどき僕は、父にこんなことを言われる。うれしいような、心細いような、複雑な心境で、僕は「いってらっしゃい。」と、父を送り出す。最近は台風が多いからこんな日が多かった。
 僕の父は消防団員だ。普段はJA職員として普通に働いている。仕事もなかなか忙しいようで、夜帰ってきた時は「疲れたぁ‥‥」が、口癖だ。そして、ビールを飲んで、ごろごろしながらテレビを見ているのが日常の姿だ。そんな父は、はっきりいって全然かっこよくない。でも、そんな父を見直すことが時々ある。消防団員としてみんなのために一生懸命働いている時だ。そんな時の父の真剣な顔は、いつもと違ってりりしい。
 父は消防団の一員しての誇りを持ち、何かあったときは地域のために懸命に働いている。台風の時には、土のうの準備、大雨の中の巡視。高潮や土砂崩れの被害がでれば、その場所に飛んでいって、すぐに復旧作業に取りかかる。火事の時も、人捜しの時も同じだ。夜中も働きづめに働いて、明け方やっと帰ってくることも多い。何日も帰ってこないこともあった。そんなにしてまでみんなのために働いている父が、僕には不思議だった。だから僕は、疲れ果てて帰って来た父に、一度聞いたことがある。
「なんで、自分の家をほったらかしにしてまで、他人のためにそんなに働くん?そんなん本物の消防署の人とかに任せといたらえいやん?危ないし、大変やん‥‥。」と。
 「こんな大変なときは、消防署の人だけでは、いざというときに間に合わんのや。自分らの町は自分らで守らなあかんやろ。この辺でも、一人暮らしのお年寄りや困っている人が、ぎょうさんおるんや。困ったときには、みんなで助け合わないかん。それに、うちには立派なおまえっちゅう男がおるやんか‥‥。中学生やったら、もう、一人前や。うちのことは、もうおまえに任せられるからわしは安心して人助けができるんや‥‥。」と笑って答えた父。その言葉は、普段何もしない僕への皮肉にも聞こえたが、半分以上は本当のことだろう。
 地域を守るために自分にできることを精一杯とやろうとしている父のような消防団は、コミュニティーの、一つの愛の形かもしれない。自分のふるさとの、自然を愛し、人を愛し、未来を愛する。‥‥そんな気持ちが、父からも、近所のおじさんたちからも、あふれている。
 「こないだは、お父さんたちにお世話になったんやで‥‥ほんまに助かったわぁ‥‥ありがとう‥‥」と、道行く僕にまでお礼を言ってくれたおばあさん。その笑顔に、僕までが思わず笑顔になった。こんな、あったかい雰囲気のふるさとが僕は好きだ。僕たちを守ってくれる消防団の人たちは、町の誇りだ。僕も、大人になったら、その仲間に入りたい。
 ふるさとと、未来を守る愛の戦士に‥‥。