第44回(平成18年度)中学生作文コンクール 文部科学大臣奨励賞入賞作品 
主催:(財)生命保険文化センター
後援: 文部科学省、金融庁、全日本中学校長会
協賛:(社)生命保険協会
平成18年度応募総数 16,790編
文部科学大臣奨励賞
 
 
みんなの愛に支えられて
                           香川県 土庄町立土庄中学校  二学年 男子

 僕は今、反抗期真っ最中の中学二年生。このごろ周囲にあれこれ言われるとイライラする。
「うっせーなー、ほっといてくれ。母さん達には関係ないやろ!」
 これが最近の口癖だ。自分は誰の世話にもならずに一人で生きている……、そう思い込んでいた。
 ところが、僕はつい最近、『みんなのおかげで生きている。』ことを再確認した。
 僕達家族が新居に引っ越して、荷物の整理をしていた時のことである。
「ねぇ、これ、僕のへその緒?」
 タンスの奥の方から、それらしきものを発見した僕は何気なく聞いてみた。
 すると、母は懐かしそうに眺めながら、しみじみと言った。
「そうやで……。おまえが生まれてきたんは、まるで奇跡みたいやったなぁ……。」と。
 母は、十三年前のことを思い出しながら、ポツリポツリと話し出した。
 僕がお腹にいると分かった時の家族の喜びようは、大変なものだったそうだ。母はつわりで入院もしたが、誰もがその後の順調な経過を信じていた。無事に赤ちゃんが生まれるのが当り前だと思っていたらしい。ところが、そのあとすぐ、母は緊急入院した。
「残念ですが、もう赤ちゃんが出てきそうになっています。助からないことも覚悟してください。とりあえず手術をして、少しでも赤ちゃんが長くお腹にいられるように、絶対安静にして、できるだけのことをしましょう。」
と、医者に言われた母は、目の前が真っ暗になったそうだ。その日から母の、六ヵ月にもおよぶ長い長い入院生活が始まった。
 いつ赤ちゃんがだめになるかもしれないという恐怖にも似た不安は、母をかなり苦しめ、毎日よく泣いたと言う。食事はおろかトイレに立つことさえ許されず、二十四時間はずすことのない点滴にしばられた毎日。日々増えていく薬の副作用に苦しめられる毎日。そんな時、母の支えとなったのは、周囲の人の温かい励ましだったそうだ。いろいろと手を尽くしてくれるお医者さんや看護師さん、毎日のように見舞いに来てくれる家族や友人。みんなが、僕の命の火が消えないように『がんばれ!』と励ましてくれたそうだ。
 命の重さ・有り難さをかみしめながら過ごした日々を思い出し、涙ぐむ母を見て、僕も何だかその日は素直な気持ちになれた。
 僕の命はそんなにもみんなに支えられ、待ち望まれたものだったのか。驚きと同時に何だか熱いものがこみ上げて、涙が出そうになった。そんなこと、考えたこともなかった。
 その後、母はこんな話もした。
「あの時はただもう夢中だったから、お金のことなんか考えなかったけれど、あれだけ長く入院して、手術をしたり最高の治療を受けることができたのも、生命保険に入っていたおかげだわ。もし生命保険に入っていなかったら、おまえの命も、つながってなかったかも……。」
と、冗談のように笑った。
 一人ひとりの安心や夢を守るための生命保険。それがどれほど多くの人々の命や夢をつないできたことか。今、ここにこうしている僕も、どれほど多くの人々に助けられて、今日という日を生きているのだろう。大きな愛に包まれて、のびのびと成長している。『ありがとう、みんな。ありがとう、生命保険。僕は、みんなに助けてもらったこの命を、みんなのために何かに役立てたい。』と、今、心からそう思う。
 僕は、『弁護士になりたい。』という夢を持っている。そのためには、かなりの学費も必要だろう。でも、僕は知っている。僕がいつどんな道に進んでも困らないようにと、母が満期保険金を用意してくれていることを。
 やっぱり母には頭が上がらない。照れくさいけど、一度ちゃんと言っておくよ。『母さん、僕を産んでくれて、ありがとう……。』